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外山農園のミカン園(静岡県浜松市三ヶ日町)

試行錯誤しながらのノウハウづくり

全国でも有名なミカンの産地・三ヶ日町に、外山さんの畑はあります。外山さんはここでミカンを作って二代目ですが、栽培のノウハウは試行錯誤をしながら手に入れました。例えば完全な無農薬に挑戦し、2年間ほとんど商品になるような収穫が得られなかったことも。その時は「無農薬のミカンはおいしいけど、こんな外見じゃ食えない」と言われたそうです。そのため、今では少しの農薬は使うようにしています。

また、木を剪定するにしても、化学肥料を使う場合と使わない場合では方法が違います。化学肥料を普通どおり使う農法では新しい芽がたくさん出るため強く剪定しても大丈夫ですが、有機農法(草生栽培)では剪定も控えめ。外山さんはこのようなノウハウを自らのトライ&エラーから作り出してきたのです。

一目でわかる!外山さんのミカン畑

外山さんのミカン畑からは、浜名湖の一部、猪鼻湖が見渡せます。この地域にはミカン畑が多いのですが、外山さんの畑は緑豊かな色をしているので、看板がなくてもすぐに見分けることができます。理由はもちろん、除草剤を使わないので木の根元が草に覆われているから。一方、除草剤を普通どおり使う畑はというと、地面はかわいた茶色。こんなふうに土がむき出しになった畑では、雨が降ると化学肥料を含んだ土が流れ出てしまいます。土は目の前の猪鼻湖に流れ込み、湖の生態系に悪影響を与えています。美しい風景とは裏腹の、沖縄の赤土汚染と同じ問題がここにもあるのです。外山さんはいち早くその問題に気づき、「環境にやさしいミカン作り」を実践しているのです。

地球環境とのつながり

05-1.gifミカンを栽培する時に、外山さんも機械や資材などを使っています。そこで、農薬を普通どおりに使う 慣行農法と外山さんの栽培方法とで、地球温暖化への影響がどれだけ違うかを調査しました。対象にした品種は、外山さんの場合は温州ミカン、中晩柑。さらに、もし外山さんが普通どおり農薬・化学肥料を使って温州ミカンを栽培したらどうなるかも調査しました。

その結果、慣行農法にすると地球温暖化への影響が2倍ぐらいになることがわかりました。原因は、農薬を散布する機械を動かすときに消費する燃料。そのことを考えると、現在の外山さんの栽培方法はかなり地球環境にもよいと言えるでしょう。

一方、外山さんのミカン畑で作っている2つの種類(温州、中晩柑)を比較すると、温州の数値が大きくなっています。原因は資材として使う白いシート。地面に白いシートを敷くと、太陽の光が反射してミカンの成長が早まるので、出荷時期の早い温州(早生・極早生)の場合は利用しているのです。シートは何度も再利用していますが、シートを作るときに発生するCO2は無視できません。

まだまだ試行錯誤中

すでにいろいろな面で環境に配慮したミカン栽培をしているのですが、外山さんは「やっぱりもっと他の方法があるかもしれないと思う。こういう有機農法もさ」と、さらに新しい方法を模索中です。例えば下草に、土の流出を防ぎつつ栄養分が過度に取られないような、ある種の牧草を植えてみたそうです。この牧草は他の雑草の成長を抑えつつ、初夏になると枯れるので、草刈も楽になり、除草剤も必要なくなるので一石二鳥。無事にこの挑戦が成功するのか、楽しみですね。

自然の味を忘れないで欲しい

環境への配慮もしていますが、外山さんのミカンは"自然食品"。昔ながらのおいしいミカンの味を伝えたいという想いがあります。最近は特定の栄養素だけを摂取するためのサプリメントが「健康食品」「機能性食品」として販売されていますが、それらに普段から依存することは良くないとおっしゃいます。
 「人間の身体を工場とするとさ、材料を外から持ってきて、工場の中で加工して製品にするよね。いわゆる健康食品ていうのは、始めから製品になってるから、工場が働かなくてもいい。働かなくてもよければ、機械がさび付いていく。だから健康食品ばかり食べていると、身体の持つ機能が弱ってしまうんだよ。
 粗食がいいっていうもんね。身体や血液がきれいになるっていうじゃない。やっぱり身体の中が一生懸命働かないといけないから

なるほど。今までそんなことを考えたことがありませんでした。"目からウロコ"です。最後に外山さんからアドバイス。
 「あまり年とってから食べ始めるのは良くないからね。小さいときからそういう体質にしておかないと。それに健康な食べものを食べて健康な身体にならないと、健康な精神もできないんじゃないかな


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