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手作りの原点 手前味噌

朝は布団から出るのにひと苦労。外に出れば吐く息の白さに、本格的な冬の訪れを感じます。でも、寒いとばかり言ってはいられません。冬の手造りといえば...そう!「手前味噌」ですね。
買った味噌では得られない愛着が忘れられなくて、私も毎年仕込んでいます。麹は何にしよう。塩分濃度はどうしよう?...などと,自分なりのプランを立てるのも楽しいものです。味噌づくりの前に、味噌のことを少しお話しましょう。

味噌はいつ頃からあるの?

味噌の起源は、中国で生まれた「醤」(ひしお) や「鼓」(し)とされています。「醤」とは、蒸し煮した豆類に麹や塩・香辛料を加えてカメに入れ、塩水を入れてお粥状にしたものを、発酵・熟成させたものです。

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一方の「鼓」は、大豆麹を作ってから、発酵・熟成の後に乾燥させたもの。身近なところで中華原材料の「豆鼓」(トウチー)、日本でいう浜納豆がこれにあたります。
 「醤」と「鼓」は万葉の頃(西暦700年頃)の書物にも登場するほどですから、日本人とのお付き合いは1300年以上にもなるのです。江戸時代の頃、「味噌」という現在の形に近いものになって、さらに縁深いものになりました。

赤味噌と白味噌ってどう違うの?

ひと口に味噌といっても、様々な色や味があるもの。大きく分けると「赤味噌と白味噌」、そして「甘いものと辛いもの」があります。原材料は大豆+麹+塩を使うのに、この違いはどこから生まれるのでしょう?
 白味噌は大豆を蒸し煮した段階で、煮汁を切ってしまいます。これは、大豆に含まれる褐変反応を起こす物質を極力取り除き、白く仕上げるため。さらに麹の量を多くし、塩分は控えて(5~12%ほど)高温で仕込み、5~20日ほどの短期間で熟成させてできあがり。
 赤味噌は、湯煮した大豆を一晩ほど煮汁に浸したままににします。これを"留釜"といい、大豆と煮汁に含まれる褐変反応を起こす物質や、水溶性の糖類、タンパク質が大豆に浸み込むために赤く色づくのです。こちらは麹の割合を低くし、塩分濃度を高め(11~14%ほど)にしているので、貯蔵が効き、寝かすほどに色が濃く、味わいにも深みが出てきます。
 白と赤の中間に淡色があります。よく山吹色と形容されますが、これは赤味噌ほど煮汁に漬け込まず、麹は白味噌よりも少なめ。塩分量は7~12%ほどの中間に位置します。

身近な味噌をもっと知ろう

『にんじんCLUB』でおなじみの甘味噌といえば『やさか白みそ』ですね(冬期限定)。上品な甘さで、色を生かしたい野菜の味噌汁や雑煮、寒い日の鍋物にピッタリです。
 甘口味噌は『やさか味噌・甘口』、赤みがかった薄い褐色と、ほっとする味で、ふだん使いに重宝する味噌です。 淡色辛口味噌は『玄米2年味噌』『合わせみそ』『信州米味噌』と種類も豊富。淡色辛口は信州味噌の代名詞でもあります。このシリーズは、手軽なカップ入りなのもうれしいところ。
 褐色の辛口味噌は『やさか2年味噌』。辛味噌は、三河地方の生んだ『純豆味噌』『八丁みそ』です。辛い味噌は味噌汁はもちろん、味噌だれなどに使うと、えもいわれぬ深みと味わいが生まれます。
 手前味噌のすすめなのに、出来あがりの味噌をご紹介するのは変だとお思いかもしれません。でも、この味噌たちは、香りや味を教えてくれる"もの言わぬ先生"です。うまくできている味噌の匂いや、色ツヤ、味を見てみるのもひとつのテキスト。それぞれ味わって、味の特徴をつかんでおくと、味噌づくりで何か困ったときの強い味方になります。私も、何か変だなぁと思うと冷蔵庫から味噌を引っ張り出してやってみました。ご参考までに。今年の味噌づくりが、ひと味違うものになれば幸いです。

参考/「新版 てがるにできる加工食品」 峰下 雄・津久井亜紀夫 編著 伊藤裕子・渡辺雄二・野間義明・小田尚子・奥井一義・山本明美 共著 健帛社


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