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地球サイズの「顔の見える関係」~バナナのはなし

banana2.gifツルッと黄色い皮をむくと、白くて甘い実がこんにちは!バナナは、子どもも大人も大好きなフルーツです。手軽でおいしく、しかも栄養があるから、おやつに、朝食に、離乳食に欠かせないというご家庭も多いでしょう。
当たり前みたいに食べているバナナだけど、どうやって作られるの?なぜタネがないの?と聞かれたら、答えに詰まってしまいそう。意外に知らないバナナのこと、少し考えてみませんか?

《バナナにタネなし?》

 バナナを輪切りにすると、真ん中に茶色い斑点があります。これがタネの名残。そう、バナナも大昔はタネがあったのです。原産地の東南アジアでタネなしバナナの栽培が始まったのは、なんと紀元前5千年頃といわれます。品種はざっと100以上。生食する他、イモのように煮たり焼いたりして主食の一部とする品種もあります。ちなみに日本で市販されているもののほとんどは、'キャベンディッシュ'という病気に強い大型品種です。
 植物園や庭先などでバナナの木を見かけたことはありませんか?実はバナナは「木の実」ではありません。茎は短い塊状で地下にあり、そこから伸びた葉が何枚も硬く重なり合って、まるで木の幹のように見えているだけで、実際は「草」といったほうがいいかも...。2mほどの高さになると、つぼみのような形の小豆色の房がつき、やがて実がなります。発芽から9~11ヵ月ほどで収穫が終わると、バナナの脇に新芽がまた2本顔を出し、バナナはどんどん増えていくのです。

《プランテーションはバナナ工場?》

こんな自然な育て方をしているバナナは、残念ながらほんの一部。日本に輸入されている市販のバナナのほとんどは、海外の広大なプランテーションで、大量の農薬と化学肥料を使って栽培されています。そこで働いているのは、農場の持ち主であるアメリカや日本の企業に雇われた現地の人たち。農薬の危険性など知らされないまま、低賃金での重労働をこなしています。また栽培だけでなく、作業場の洗浄に使う殺菌剤や防カビ剤など、ポストハーベスト(収穫後の農作物に使う農薬)も心配です。
いずれも、現地で売るためではなく、日本の消費者に向けて作られたもの。自然な状態で栽培されたバナナを見たことがない私たちにとっては、ちょっとの黒いシミも「病気」「カビ」に見えてしまいます。その結果、薬剤処理を施された、見た目にはぴかぴか美しいバナナが店に並ぶことになるのです。

《食べる人にも作る人にも安全なバナナを!》

 子どもたちが安心して食べられるバナナがほしい、それを作る人たちが自立した普通の生活を送れるような、正当な取引をしたい...そんな思いから生まれた"フェアトレードバナナ"のひとつが、『パシフィックトレードジャパン』がタイの人たちと一緒に作り上げた、『タイバナナ』です。
 『タイバナナ』は、農薬を一切使わず、ていねいな土づくりと、草取りなどの手作業で大切に栽培されています。タイのバナナ畑は、ちょっと日本の水田に似た風景の中にあり、高床式の家屋の庭が作業場になっていて、出荷作業がおこなわれます。収穫後は一つひとつていねいに水洗いし、遠く日本までやってくるのです。しかも、働く人たちの生活を損なわないよう、労働に見合った金銭の取引をすることで、自立を助けるフェアトレードを実現しています。
 最近は、インターネットで生産者情報がわかるようになりました(バナナに貼ってあるシールのナンバーを入力すると、生産者がわかります)。その他の産地情報も充実しているので、ぜひ一度のぞいてみてくださいね(http://www.homton.com)。

そもそも、遠い海外から運んできたものが、こんなに安いこと自体、おかしなこと。もちろん安さはうれしいけれど、作り手に貧困を敷いてまで安く買いたいと思っている人はいないでしょう。
輸入されているのはバナナだけではありません。今や食卓を占める食べもののおよそ6割(*)が輸入食品で占められています。しかも日本で受け入れられやすいサイズや外見のものが「日本向け」に作付けされているものも...。
毎日食べるものについて、いちいち考えるのはめんどくさい。でも、放っておくとなんだか思いもよらないことになってしまうのが現実です。食べる=買う、選ぶということは、私たちが思っている以上に大切なこと。どんなものを食べたいのか、もう一度よく考えてみましょう。

*カロリーベースで見た場合の日本の食糧自給率は41%
参考図書/「バナナと日本人」岩波新書、「バナナ


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